2012-10-07

ちいさきものいとをかし






母とふたりで 平塚市美術館で開催中の
「ドールズハウス展」に行ってきました



イギリスの18世紀後半作のアンティーク「ハスケル・ハウス」

1930年代のアメリカの「デモイン・バンガロー」

ドイツ オランダ などなど たくさんの人形の家が並んでいて
来ている人がみんな こどものような表情で覗き込んでいました



ディケンズの小説の一場面が再現されたものや

インドネシアやエジプトのままごと道具

日本の御殿づくりのひな人形も展示してあって


そうかそうか 日本にはひな人形があったなー
なんて感心しながら 館内をめぐりましたが


ミニチュアってなぜこんなに夢見心地になるのでしょうか



想像で小さく縮んだ自分が

ちいさな階段をのぼって寝室に行ったり

豪華な刺繍がほどこされた ちいさなソファに寝転んでみたり

精巧にできた家具から 食器を手に取ってみたり



母と一緒に

「バスルームに櫛があったの見た?」

「書斎のペン、フタまでつくってあったよ!」

などと うっとりの時間を過ごしました




身長170cmという
女性にしては 少々大きいサイズに育ちすぎてからは
ますます小さいものへの憧れが 強くなったような気がします






80年代に小学生だった私は
お友だちがみんな バービー人形を持っていました

靴やテニスラケットなど
プラスチックでできた たくさんのアイテムや
カラフルでかわいいお洋服



それにひきかえ私のは
イギリス製の陶器の人形で

もっていたティーセットやキッチンアイテムは
銅 木 ガラス 陶器など



今思えば 自慢の品々なのですが
当時はそれがすごく恥ずかしくて

服を脱がせると現れる 膝まである大きな下着が
ほんとうに ほんとうに 憎らしかったです



バービーにくらべると 縮尺も少し小さくて

お友だち同士でみんな服を交換してるのに
わたしだけ仲間はずれ

お情けで借りたワンピースもぶかぶかでした




女の子の社交界「ごっこあそび」で落ちこぼれた私は
人形を放り出し


兄とその友人たちにまざって 缶ケリや泥警
自転車をのりまわす 神社で雑誌を拾う など
男の子路線まっしぐらで 過ごすことになりました


色オニなど鬼のいるゲームでは
「みそっかす」というポジションだったのですが
そのことに気づくのは もうすこし後になってから 笑



わたしの人形たちは
社交界には縁がなくなっても ずっと大切に飾られていて

いまでもときどき アイテムが増えたりしています




このとき
ミュージアムショップで増えたアイテムは

「蘭の鉢植え」と「帽子」






うん



ちいさきもの

いとをかし

















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鈴野麻衣
Mai Suzno